「口で告白して」  石橋秀雄牧師

 


「実に、人は心で信じて義とされ、口で公に言い表して救われるのです。聖書にも、『主を信じる者は、だれも失望することがない』と書いてあります。」

(ローマの信徒への手紙10章10〜11節)



 「口で公に言い表して救われる」と信仰告白をすることによって救われると教えられ、2000年の教会の歴史の中で信仰告白が教会の中心にあった。
 越谷教会は「使徒信条」を告白している。使徒信条という言葉が示すように、使徒から、十二弟子から受け継がれてきた信仰が告白される。
 使徒信条には伝説がある。使徒信条の一つひとつが、聖霊が下って、十二弟子に示されたというのだ。
 ペトロが言った「我は天地の造り主、全能の神を信ず」、アンデレが言った「我はその独り子、我らの主イエス・キリストを信ず」、ヤコブは言った「彼は聖霊によりみごもられ、処女マリアより生まれ」と十二弟子が語り、そして最後にマッテアは言った「永遠の命を」と語ったという伝説だ。この伝説が本当だとは思われない。しかし、主イエスの弟子から示され、受け次がれて来た信仰であることが強調されている。
 教会で信仰体験が語られる。証がなされる。主イエスを信じて生きてきたその恵が語られる。この事は大変重要だ。しかし、「本当に大切なことは、これだけは口で言い表してもらいたい」という信仰の中心、真理が示されていることだ。
 2000年の教会の歴史で変わることのない真理だ。人々の人生を支えつづけた真理だ。最初の弟子から始まって教会の中で磨かれ続けた信仰告白だ。
 9節に「神がイエスを死者の中から復活させられたと信じるなら、あなたは救われるからです。」とある。
 「神がイエスを死者の中から復活させられたと信じますか」と問われ、「ハイ信じます」と告白して洗礼を授けられた。
 そして、二世紀頃、「ローマ信条が生まれ」ローマ信条が使徒信条へと発展して行く。
 使徒信条を告白して洗礼を受けたのだ。
 「全能の父なる神を信ず」「主イエス・キリストを信ず」「聖霊を信ず」と三位一体の神が使徒信条で告白されている。
 「実に、人は心で信じて義とされ、口で公に言い表して救われるのです」。
 この使徒信条を告白して生きる者は、「だれも失望することがない」と教えられる。2000年の教会の歴史の中で信仰を持って生き抜いた信仰者の確信だ。

 越谷教会月報「みつばさ」2015年6月号より



画像:「雨あがりのネジバナ」は 朝焼け・夕焼け写真日記 からお借りしました。