「神を賛美する」  石橋秀雄牧師

 


「イエスはその女を見て呼び寄せ、『婦人よ、病気は治った』と言って、その上に手を置かれた。女は、たちどころに腰がまっすぐになり、神を賛美した。」 

(ルカによる福音書13章12節〜13節)



 
 主イエスは18年間病に苦しむ女性を呼び寄せられる。当時、女性は数にいれられない。ましてや、悪霊の仕業と見られる病に苦しんでいた。この女性が会堂に入るには相当の決断を要したと思われる。病気を癒す力をもった主イエスのことを知り、病の癒しを求めて、会堂にやって来たと考えられる。
 主イエスは、その女を見て呼び寄せられた。恐る恐る会堂に入り目立たないようにしていたこの女性は、突然、主イエスに呼び寄せられて、とまどったに違いない。
しかし、主イエスは礼拝の中心に、その女性を呼び寄せられる。
病の痛みの中にあるもの、大きな悩みに支配されているものをご自分のところに呼び寄せられるのだ。
「イエスはその女を見て呼び寄せ、『婦人よ、病気は治った』と言って、その上に手を置かれた。」(12節、13節)
 「婦人よ、病気は治った」とあるが「女の人、あなたは病気から解放された」と、ある注解書では訳されている。
 主イエスは解放者として、この女性にそして私たちに出会ってくださる。
 主イエスは病気や悩みや様々の問題に縛られ自由を失っているものを、会堂の中心、礼拝の中心に招いて、その病から悩みから、様々な問題から解放してくださる主なのだ。
 13節「女は、たちどころに腰がまっすぐになり、神を賛美した。」
 女はたちどころに癒され、「神を賛美する者」となった。
 主イエスに招かれて、解放者イエスに出会って、「神を賛美する者となる」。主イエスに出会ったものは「神を賛美する者」に変えられていくのだ。
 18年間病気で苦しむ女性を主イエスは招かれ、病気から解放して、「神を賛美する者」に変えられた。
 主イエスは、私たちを縛っているものから解放して「神を賛美する者とする」。ここに救いの目的が示される。
 「神を賛美する者」である時、その後に押し寄せてくる様々の苦難をも克服する力が与えられる。

 越谷教会月報「みつばさ」2013年9月号より



画像:「背の高いひまわり」は 朝焼け・夕焼け写真日記からお借りしました。