あるときイエスは弟子たちにどう祈るのがいいのかお祈りの仕方をお教えになった後、こうお話になりました。
『ある人の家に真夜中に友人が訪ねて来ました。長い旅の途中で立ち寄ったのです。ところが、その家にはせっかく立ち寄ってくれたお客様をもてなす食べ物が何もりませんでした。真夜中ですので、近くのお店もしまっていますし、遠くの親戚まで行く時間もありません。そこで、近くの友人の家に行き、閉まっている戸をドンドンとたたいてこうお願いしました。
「すみませんが、パンを三つ貸してください。旅行中の友人が私の家に急に立ち寄ったのですが、御馳走として出してあげりものが何もないのです。」
するそのと家の中から迷惑そうな声がしました。
「こんな夜中にうるさいではないですか。どうか面倒をかけないで下さいよ。もう戸は閉めてしまったし、子供たちは私の側で眠っているんですよ。起き上がってあなたのために何かすることなんてできないんですよ。」
その友人はこう答えるに違いありません。』
この当時のユダヤの人たちは一つの部屋に、大人も子供もまとまって寝ることが多かったので誰かが起き上がるだけで、大騒ぎになるのです。
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ここでイエスはいったん話を止めて、弟子たちをぐるりと見回しました。
『けれども良く考えてお聞きなさい。もしその人が何度も何度もしつこく頼み続けるのであれば、その友人は友達だからという理由ではなくて、うるさくて眠れなかったために、起きてきて必要なものは何でも貸してくれることでしょう。だから私はこう伝えたいのです。
「求めなさい、そうすれは与えられます。探しなさい、そうすれば見つかります。門をたたきなさい、そうすれば開かれます。
誰でも誰でも求める者は受け、探す者は見つけ、門をたたく者には開かれるのです。」』 |
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『あなた方の中に、子供が魚を欲しがっているのにその代わりに蛇を与える父親でいるでしょうか。また子供が卵を欲しがっているのにさそりを与える父親がいるでしょうか。このように親というものはどんな子供であっても、自分のかわいい子供には最良のものを与えることを皆さんは知っているでしょう。まして、天にいらっしゃる私の父は私たちが熱心に求めるならば、大きな愛を示して与えてくださるのですよ。』 |