September




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 神はこれらすべての言葉を告げられた。 「わたしは主、あなたの神、あなたをエジプトの国、奴隷の家から導き出した神である。 あなたには、わたしをおいてほかに神があってはならない。」
出エジプト記20章1節〜3節)

 モーセは従う者たちを葦の海から南に導き、シナイの地の不毛の砂漠シュルの荒野へと進んで行きました。一行は日の出ている間中、果てしなく続いているこの乾ききった大荒野をとぼとぼと歩きました。しかし、酷暑は日没と共に消えうせ夜には急激に気温が下がり、天幕の中で身を震わせて休みました。
 水に恵まれずやっとのことでメラというオアシスにたどり着いたイスラエルの人たちは、その水が苦くて飲めないことが解ると、モーセに不満をこぼしました。するとモーセは砂漠に生えている”ぎょうりゅう“という木を一本取って水に投げ入れました。すると苦かった水は瞬く間に甘い飲料水になったので、人々は驚きながらも水をたっぷり飲み、家畜たちにも沢山の水をやることが出来たのです。
 一行はさらに南へと旅を続け、エリムのオアシスを経、広大なシンの荒野を横断し、シナイ山に向かいました。
 途中、人々はまたもやモーセに不満を言い始めました。
 「我々はエジプトでは、肉のなべの傍らに座しパンをたらふく食べていた。その時に死んでいたらこんなに空腹で苦しまなくても済んだのに・・・。あたなは我々をこの荒野に導き出して、全員を餓死させようとしている!」


 
 モーセはその言葉を聞くと、彼らが神を信じていないことを指摘して戒めました。「夕暮れにはあなたがたは、エジプトの地から救い出されたのが主であることを知るでしょう。また、朝には主の栄光を見ることになるでしょう」
 モーセの言葉通り、朝になると宿営の周囲に霜が降りて、霜が乾くと荒野一面に白く薄い膜のようなものが残りました。それはウェハースのようなもので蜜を入れたような甘い味がしました。人々はそれをマナと呼びました。集めたマナをオメル枡で量ってみると、ちょうど1人につき1オメルあって、どの家族にも必要な分だけ集めることができました。少ししか集められない小家族も、力の強い大家族も、神様はどの人にも同じように愛し、養ってくださるということでしょう。
マナは毎朝のように地面を覆いつくし、人々のお腹を満腹にしてくれました。人々は主の恵みによって飢えを癒されたのです。
 また主は肉を食べたいと不満を漏らす民に、うずらの大群をも送り込でもくれたのです。更に水の無い岩場では、モーセに杖で岩を打たせ水を与えることもわすれませんでした。



しかし、飢えがなくなると間もなく、また難題が振りかかってきました。シナイ北東部に住む半遊牧民で商人であるアマレク人に襲われたのです。アマレク人は自分たちが使っている、エジプト・アラビア間の交易沿いの縄張りを、イスラエルの人たちに荒らされるのを拒んで攻撃をしてきたものと思われます。
 イスラエルの人たちはこれまで戦をしたことがなかったので、武器もなく備えもありませんでした。モーセは直ちに、屈強な男たちを集め、羊飼いが家畜を守るのに使う投石器、槍、弓矢などを準備し、武装させました。また戦意に燃えるヨシュアという若者を指揮者として選びました。
 モーセは近くの丘に上がって成り行きを見守っていましたが、モーセが手を上げているとイスラエルは勝ち、下げてしまうとアマレクが有利になりました。それを知るとモーセは重くなった手が下がらないように、アロンとホルに両側から手を支えてもらい最後まで堪えて上げたままにしたのです。こうしてヨシュアとイスラエルの人々はアマレクの民を打ち破ったのでした。
 その夜はイスラエルの宿営で大きな歓声があがりました。モーセが粗石で祭壇を築き、主を記念して子羊を生贄に捧げました。



 レビデムを出たモーセの一行は、シナイの荒野に入り天幕をはりました。
 その時、雷鳴が轟き、火と煙が山全体を覆って、神が顕現したと言われています。主はシナイ山の頂に下られ、モーセを山の頂に召されたので、モーセは山を登っていきました。そしてモーセは、シナイ山において主より十戒を授かるのです。十戒はこれから後のユダヤ民族、いや全人類の歴史に大きな影響を与えました。
1.あなたには、わたしをおいてほかに神があってはならない。
1.あなたはいかなる像も造ってはならない。
1.あなたの神、主の名をみだりに唱えてはならない。
1.安息日を心に留め、これを聖別せよ。
1.あなたの父母を敬え。
1.殺してはならない。
1.姦淫してはならない。
1.盗んではならない。
1.隣人に関して偽証してはならない。
1.隣人の家を欲してはならない。



 この十戒と様々な教えを頂くためにモーセは40日間山に篭りました。その間待っていた民は、モーセがいくら待っても帰ってこないので、だんだん不安になり彼らの神に見捨てられたのだと思いました。主との契約も忘れ、アロンのところへ行くと、「さあ、わたしたちに先立って行く神を、わたしたちのために造って下さい。」と訴えました。おそらくモーセが戻ってこないことにアロンも不安になったのでしょう、、彼は偶像を作ることに同意して黄金の雄牛の像をこしらえました。人々はその金の牛を伏し拝み、燔祭を捧げてその前で飲み歌い踊り始めました。



 その最中に突然モーセが主の戒めを刻んだ石板を携えて、シナイ山から下りてきました。民が神の第一の戒めを無視して黄金の像を拝んでいるのを見て、怒りで真っ赤になり持っていた石板を地面に投げつけて粉々にしてしまいました。そして黄金の牛を掴むと、祭壇の火で溶かし、、その金の塊をひいて粉にして水と混ぜ、イスラエルの人々に飲ませました。
 翌日モーセは民を呼び集め「あなた方は大いなる罪を犯した。それでわたしは今主のもとへ上って行く。


 それからまた山の頂きに戻り、さらに40日間そこに留まりました。モーセが民のところへ再び帰ってきたとき、モーセの顔の皮が光を放っていました。主と語り過ごした日々がモーセを輝かせたのです。モーセの手には、主の戒めを記した2枚の新しい石板がありました。

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