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あなたがたも、何を食べようか、何を飲もうかと考えてはならない。また、思い悩むな。
(ルカによる福音書12章 29節)

 いつものようにイエスが集まった人々にお話をしておりますと、聞いていた人の中から一人の男の人が前に進み出て話しかけてきました。
 「先生、私の父親はもうだいぶ年をとっておりますので遺産相続の取り決めをする頃合いなのです。どうか先生から私の兄に私の取り分を沢山分けてもらえるように話していただけないでしょうか。」
それに対してイエスは
 「どうしてそのようなことを尋ねるのですか?いったい誰がわたしをあなたの裁判官や調停員に任命したのですか」
とおっしゃいました。
そして聞いている群集に向かってこう言われました。
 「欲張るような心には十分気をつけなさい。有り余るほどのお金や財産を持っていても、お金では人の命は買えないのですよ。」
それからイエスは群集の皆にわかるように一つのたとえ話をなさいました。

 

 『あるところに多くの畑を持った金持ちの人がいました。その年は天候も良く畑では沢山の穀物が採れました。しかし、その人は喜ぶよりも
 「困った、困った。作物が沢山採れたのはいいけれど、その作物をしまっておく場所がない」
と浮かぬ顔で心配をしておりました。何日も思い巡らせているとふといい考えが閃きました。
 「そうだ、古くて小さな倉を壊してしまって、もっともっと大きな倉を建てよう。そうすれば穀物も財産も全てしまっておけるではないか。」
彼は自分の考えにたいそう満足し得意げに自分にむかってこう言いました。
 「それだけでない、これから先何年分もの蓄えが出来たんだ、安心して食べたり飲んだり毎日楽しく暮らそうではないか。」

 

  その時神様の声が天から響いてきました。
 「愚かな者よ、今夜、お前の命は取り上げられる。お前が倉に蓄えた物は、いったい誰のものになるのか。」』
 「たとえ自分のために沢山の富を積んでも、神様の前に心が豊かにならない者はこのようになるのですよ。」




 たとえ話がおわるとイエスは弟子たちに向かってこうおっしゃいました。
 「何を食べようか、何を着ようかと心配するのはやめなさい。」
そして、空を飛んでいる鳥を指さしてこう言われました。
 「あの鳥を見なさい。種も蒔かず、刈り入れもせず、納屋も倉も持ってはいないではないか。でも、神様は鳥を養ってくださるではありませんか。 」


 また、道端に咲いている野の花を指さしてこう言われました。
「野原の花がどのように育つかを考えてみなさい。働きもせず何もしなくても、栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。今日は野にあって、明日は炉に投げ込まれる草でさえ、神はこのように装ってくださる。まして、あなたがたにはなおさらのことである。信仰の薄い者たちよ。  」
イエスは
 「何よりも一番に神様のことを思いなさい。そうすれば神様はあなたがたに必要な物を与えてくださるのです。」
と諭されました。
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