sun mon tue wed thr fri sat * * * * * 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 * * * * * * その一人に、『どうか、水がめを傾けて、飲ませてください』と頼んでみます。その娘が、『どうぞ、お飲みください。らくだにも飲ませてあげましょう』と答えれば、彼女こそ、あなたがあなたの僕イサクの嫁としてお決めになったものとさせてください。そのことによってわたしは、あなたが主人に慈しみを示されたのを知るでしょう。」 (創世記24章14節) アブラハムもすっかり年をとりました。ただ一つの心残りは我が子イサクのことでした。そこで忠実な僕を呼ぶと言いました。 「私の故郷へ行って、イサクに良い妻を捜して来てくれ」 カナンの地にも美しい娘は沢山いましたが、アブラハムは自分の故郷にいるエホバを信じている家族の中から娘を選びたかったからです。 僕はアブラハムからいろいろの注意を受け、イサクをその地に連れて行くことなく娘をアブラハムのもとに連れて来る事を誓い、十頭のラクダに主人から預かった高価な贈り物を沢山携えて、アブラハムの弟ナホルが住んでいるハランに向かいました。 ハランの町に着くと、彼は町のはずれにある井戸の傍らにラクダたちを休ませ 「主よ、どうか今日私を顧みて主人アブラハムに慈しみを示して下さい。今わたしは井戸の傍らに立っています。夕方この町の娘たちが水を汲みに来たとき、その一人に『どうか水がめを傾けて、飲ませてください』と頼んでみます。その娘が『どうぞお飲みください。そしてラクダにも水を飲ませてあげましょう』と答えれば、その娘こそ、あなたがあなたの僕イサクの嫁としてお決めになったものとわたしは考え信じます。そのことによってわたしは、あなたが主人アブラハムに深い慈しみを示された事を知るでしょう。」 と、懸命に祈りました。 僕が祈り終わって目を開けると、とても美しい清らかな娘が、かめを肩に乗せてこちらへやってくるのが見えました。娘は井戸のほうに降りていき、しばらくすると水がめに水を満たして上がって来ました。僕は駆け寄って 「どうかそのかめから水を少し飲ませて下さい」 と語り掛けました。娘はすぐに水がめを下ろして手に抱え、彼に飲ませました。彼が飲み終わると、彼女は「らくだにも水を汲んできてたっぷり飲ませてあげましょうね、わたしいくらでも汲んでまいりますわ」と言いながら、すぐにかめの水を水槽に空け、また水を汲みに井戸に走って行きました。娘は何度も水槽と井戸を往復し水を運び、ラクダたちが沢山水を飲めるようにしてあげました。その間僕は、これがエホバが選んだ娘なのかどうかを思案して、黙って彼女のすることを見ていました。 全てのラクダが水をたっぷりと飲み終えると、僕は丁寧に礼を述べて、「あなたはどこの娘さんですか?あなたのお父さんの家には、今夜私どもが泊めていただけるところがあるでしょうか?」と尋ねました。娘は 「私はリベカと申します。私はナホルとその妻ミルカの子ベトエルの娘です。父はきっとあなた方を喜んでお泊めすると思います。ラクダの飼葉も乾草もたくさんありますから、どうぞお出でください」 と答えました。 娘がアブラハムの弟、ナホルの孫にあたると知って、僕はひざまづいて主を拝み「主人アブラハムの神、主がたたえられますように。主の慈しみとまことはわたしの主人を離れず、私の旅路を導き、主人の一族の家に辿り着かせてくださいました。」と祈りました。 僕はその晩はナホルの一族のところに泊まりました。尊敬する兄アブラハムの僕と聞いてナホルはもちろん家中が丁寧にもてなしてくれました。そこで僕は、ここに来た訳をはじめから話し「リベカをイサクの妻として迎えたい」と申し出ました。このことがエホバのご意志である以上、ナホルの一族の人々が反対するわけはなく、皆こぞって賛成しました。僕はラクダに積んできた多くの宝物をナホルの一族の人々に贈りました。 次の日の朝、僕は別れを惜しむ家族人々をあとに、リベカを連れ、カナンに向かって旅立ちました。 さて、イサクはネゲブ地方に住んでいましたが、丁度そのころベエル・ラハイ・ロイと言う所から帰って来たところでした。イサクは母サラが亡くなってとても寂しい気持ちでいました。その日も夕方暗くなる頃、物思いにふけって野原を散策していました。ふと遠くを見るとラクダに乗った人々が近づいてくるのが目にとまりました。リベカも目を上げて眺めイサクを見ました。リベカは「野原を歩いて私達を迎えるあの方はどなたですか?」と僕に尋ねました。「あの方が私のご主人の息子です」と答えると、リベカはらくだから降りてベールを被りました。僕は自分が出会った出来事を全てアブラハムとイサクに報告しました。イサクは亡き母サラの天幕にリベカを案内しました。そのリベカの様子を見て、リベカがとてもやさしく賢く美しいのに大層喜び、すぐにリベカを妻として迎えました。イサクはリベカをとても愛しいつまでも仲良く暮らしました。