ライオンにも種類は沢山ありますが、ライオンの場合は亜種区分もはっきりせず、
また個々によって個体変化が多く曖昧な分け方しかできないのが現状であるようです。
研究者の間では、頭骨やたてがみによって、インド、アビシニア、セネガル、ソマリ、
マサイ、カタンガ、カラハリ、バーバリ、クルーガー、ケープ、などに区別されるようです。
特にバーバリライオンは大型で、豊かな長いたてがみを持ち、 それがお腹や背中にまで達し身体の半分ほどを被い、逞しかったそうですが、 18世紀から19世紀前半には絶滅してしまったようです。またケープライオンは 亜種のうちで最大といわれ大型でよく発達した濃いたてがみを持ち、腹にも房飾りがあったようですが、 やはり射殺などされて現存はしていないようです。現存するのは、クルーガー国立公園やケニア、ウガンダ、 タンザニア、ザンビア、ソマリア、モザンビークなどですが、数はかなり減少しているようです。 |
ライオンは群れを作る動物で、オス1〜3頭、メス15頭くらいと、その子どもからなっています。
この群れをプライドと呼びます。このプライドは女系社会で、メスが中心となり協力して狩りをします。
メスは全て血縁関係にあります。
肉食獣には、エサをとるいくつかのパターンがあります。たとえばチーターやヒョウ、トラといった連中は、
単独で狩りをしますが、コヨーテやジャッカルなどは夫婦で協力して獲物をとらえます。オオカミ、リカオン、
ハイエナたちは集団で狩りをします。ライオンもその仲間で、集団でしかも主としてメスが狩りをするのです。
待ち伏せ組と、追い込み組にわかれて、巧みなチームワークで獲物を袋のネズミにしたり、ときにはインディアンが
幌馬車を襲うように、円をえがきながら追いつめていくこともあります。
オスはメス達が捕ってきた獲物を一番先に食べます。ものすごく亭主関白のように思えますね。
でも、この亭主関白にもわけはあるのです。メスが狩りに出ていって、彼らのすみ家に子供ライオンだけが残されると、とても危険だからです。
いつ流れもののライオンがやってきて子供を食べてしまうかもしれないからです。だから、オスは狩りにも行かずグータラをきめこんでいるように見えても、自分ではそうとは気づかないでしょうが、結果的にはちやんと子供たちの生命を守っている、
ことになるのです。
ライオンは首尾よく獲物をとらえると、それを食べつくしてしまうまで、 何日も通います。少しくらい腐りかかっても案外平気らしく、百獣の王ライオンなどと言われてはいますが、食べものの嗜好としては、さほど上品でもないのです。もっとも、いつもイキのいいものを食べたいというようなぜいたくを言っていると、自然界では生きていけないでしょう。ライオンは実のところ大変な悪食で、いつもシマウマとかウシカモシカを襲ってカッコよく食べていると思ったら大違い。つかまえるチャンスさえあれば、カエルでもヘビでも食べますし、同じネコ科の仲間のチーターやヒョウや、同族のライオンだって食べてしまいます。ライオンでも生きていく為には、大変な想いをしているのですね。 |
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私達はライオンを百獣の王と呼び、動物界の中でも、もっとも強いものの象徴としてきました。
ライオンの持つ戦う力、肉体的、精神的な強靭な力、集団を統率する力から、ライオンは王族の
シンボルとして、使われてきました。そのライオン=獅子の子どもと詠われたユダの血からイエス・キリストは
産まれました。そして、イエスの時代の人々はメシアがユダヤ人をローマのくびきから解き放つためにやって
来られると期待していました。ユダヤ人が想像するメシアとは、イスラエルのすべての敵を食らい尽くす
獅子だったのです。「メシアは、まず小羊として、次に獅子としてご自分を現される」という預言は、
大多数のユダヤ人を含め、多くの人々を当惑させてきました。そしてメシアだというキリストの有り様は
勝利を得た獅子ではなく、なんと、屠られた小羊のような姿だったのです。
この世においては人の言いなりになり、いいようにあしらわれ、十字架につけられ殺された何とも無力な
キリストだったのです。しかしイエス・キリストはその十字架の死によって救いを完全なものにされ、
神の,恵みを私達にお示しになりました。その強い志は獅子のそれでなくて何でしょう!
「屠られた小羊は、力、富、知恵、威力、誉れ、栄光、そして讃美を受けるにふさわしい方です」
(ヨハネの黙示録5:12)と聖書にあるように、メシアはおひとりであり、王であると同時に
いけにえであり、獅子であると同時に小羊なのです。
そのキリストが再びこの世に来てくださり、この世の終わりに新しい天と地とをもたらして下さると信じて待ちたいと思います。 |