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 律法の専門家は言った。「その人を助けた人です。」そこで、イエスは言われた。「行って、あなたも同じようにしなさい。」
(ルカによる福音書10章37節)
      


 ある日いつものようにイエスが集まった人々にお話しをしていると、律法の専門家が立ち上がって質問しました、
 「先生、永遠のいのちをいただくには何をしたら良いのでしょうか。」
 「モーセの律法の教えには何と書いてありますか?」
質問をしてきた人に対して反対に相手に問いかけ考えるように促すのがイエスのよくなさる方法でした。
 その人は律法を良く勉強していたので、得意になって答えました。
 「『心を尽くし、思いを尽くし、力を尽くし、知性を尽くしてあなたの神である主を愛しなさい』と書いてあります。また『あなたの隣人をあなた自身のように愛しなさい』ともあります。」
イエスは
 「それは正しいことです。それを実行しなさい、そうすれば永遠の命を手にすることができますよ。」
とお答になりました。
 その人はそのことを実行していない自分に気がついたので自分を正当化しようとしてこう聞きなおしました。
 「それではわたしの隣人とはいったい誰のことですか?」
イエスはたとえ話を用いて、こうお答えになりました。

『 エルサレムからエリコに向かう道は人通りも少なく片側は険しい崖となっていてとても危険でした。ある人がエルサレムからエリコへの旅の途中、追いはぎに襲われました。追いはぎはお金や荷物ばかりか、来ている服まではぎ取り、殴りつけ、半殺しにしたまま逃げていきました。
 しばらくすると、たまたまその道を下って来たある祭司がその人を見つけましたが、かかわりになるのが嫌だったのか、道の反対側を見ぬふりをしながら通り過ぎてしまいました。
 次に神殿での奉仕をする家系であるレビ人が道をやってきました。しかし、この人も旅人を横目で見ながら黙って道の向こう側を通り過ぎて行きました。
 



 それからどのくらいたったでしょうか、旅人は誰かが近づいてくる足音を聞きました。弱った身体を向けてかすかに見てみるとサマリア人ではありませんか。日頃ユダヤ人が毛嫌いし仲間はずれにしているサマリア人が助けてくれるはずはないと諦めていたのですが、サマリア人は傷ついた旅人を見つけると駆け寄って助け起こし、持っていた葡萄酒で傷をきれいに洗ってくれました。それからオリーブ油を塗って、丁寧に包帯を巻いてくれたのです。それだけではありません、自分のろばに乗せて近くの宿屋に連れて行き手厚く介抱しました。翌朝には宿屋の主人にお金を渡して言いました。
 「この人を介抱してあげて下さい。もっと費用がかかるようでしたら私が帰り道に寄ってその時お支払します。」』
 「さて、あなたはこの三人の中で、だれが追いはぎに襲われた人の隣人になったと思いますか。」
 イエスは話し終えるとこう質問しました。
律法の専門家は、しぶしぶながらも
 「その旅人に親切にしてあげた人です」
と答えました。イエスは、うなづきながら
 「ではあなたも行って、その人と同じようにしなさい」
と諭されました。
  
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