February



sun mon tue wed thu fri sat
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28

 


 
洞窟に近づくと、王は不安に満ちた声をあげて、ダニエルに呼びかけた。「ダニエル、ダニエル、生ける神の僕よ、お前がいつも拝んでいる神は、獅子からお前を救い出す力があったか。」
(ダニエル書 6章 21節)
 話しは少し遡り、バビロンの捕囚時代に戻ります。ネブカドネツァル王は、身体が丈夫で美しく聡明な少年をユダから連れて来て学ばせ、自分に仕えさせました。その少年たちの中に、ダニエル、ハナンヤ、ミシャエル、アザルヤの4人の少年がいました。ダニエルたちは宮廷の肉や酒で自分たちが汚されないよう、野菜と水のみを食しました。彼らは知識と才能にも恵まれ、理解力にも秀でていたので、王は4人を側に置いて、何事も相談しておりました。
 ある時ネブカドネツァル王は何度か夢を見て不安になりました。その夢の意味を知りたくて国中の占い師、祈祷師、まじない師、賢者らを呼び出し、見た夢を言い当て、その解き明かしをするように命令しましたが、誰一人夢を言い当てることが出来ませんでした。王は激しく怒り、国中の知者を処刑するように言いました。それを聞いたダニエルは他の3人とともに、王の夢の秘密を求めて祈りました。その夜、神様はダニエルに現れ秘密を明かしたのです。
 ダニエルは次の朝王の前に出ました。
 「王様がお求めになっている秘密の説明は私の信じている神のみがご存知で、その神が将来何事が起きるのかを王に知らせて下さったのです。その夢とは純金の頭、銀の胸と腕、青銅の腹と腿、すねと足が鉄と陶土で出来ている巨大な像が次々と砕かれ跡形もなくなり、それを打った石が大きな山となったというものです。解き明かしはあなたが金の頭で、天の神があなたに権威と威力と威光を授けます。その後次々と銀、青銅、鉄の国が興りますが、天の神が興された国はすべての国を打ち滅ぼし、永遠に続きます」
 これを聞いた王はダニエルを拝し、またダニエルの神をまことの神と崇めました。
 ある時、ネブカドネツァル王が金の像を造り、人々に拝ませました。そしてこれを拝まない者は、直ちに燃え盛る炉に投げ込まれるとおふれを出しました。この時、カルデア人はユダヤ人を中傷しようと、ダニエルの仲間の3人を「王様の神に仕えず、金の像を拝まない」と、訴えました。ハナンヤ、ミシャエル、アザルヤ(聖書ではシャドラク、メシャク、アベド・ネゴとバビロンの呼び名で書かれてます)は王の前に引き出され、縛り上げられ、燃え盛る炉の中に投げ込まれました。見ていた王の目に、炎の中で4人の者が自由に歩き回って何も害を受けていない様子が写りました。しかも4人目の者は神の子のような姿に見えました。王が3人に出てくるように呼びかけると、3人は何事もなかったかのように炉の中から出てきたではありませんか。王は驚き、彼らの神を称えました。その後もネブカドネツァル王はダニエルらに教えを請い、彼らの神を賛美しました。
 さて時代は進み、ネブカドネツァル王の息子ベルシャツァルの治世となりました。ベルシャツァル王は宴会を開き、エルサレの神殿から奪ってきた金銀の祭具で周りの貴族たちに酒をふるまいました。その時、人の手が現れて王宮の白い壁に文字を書き始めました。王は恐怖にかられ、文字の解き明かしをできる者を求めました。王妃の進言で、ダニエルが連れてこられました。
「王様のためにその文字を読み、解釈いたしましょう。あなたはへりくだろうとせず、天の神に逆らってその神殿の祭具を持ち出し、それで飲みながら偶像を褒め称えておられます。神はあなたを秤に掛けられ不足と見られました。あなたの王国は二分され、メディアとペルシアに与えられるでしょう。」
その夜ベルシャツァル王は殺されてしまったのです。
 王国をついだのは、メディア人のダレイオスでした。ダレイオス王の下でもダニエルは才覚を表し、王はダニエルに国全体を治めさせようとしました。しかし、それを妬んだ、大臣や総督が謀って王様にこう進言しました。「向こう三十日間、王様を差し置いて他の者や神に願い事をする者は誰であれ獅子の洞窟に投げ込まれるという命令を出して下さい。」
ダニエルは王が禁令を出したことは知っていましたが、いつもの通りエルサレムに向かって窓際に跪き神に祈りと賛美を捧げました。早速役人たちは王様にこのことを告げ、禁令が有効であることを確かめました。ダレイオス王はこれを聞いてたいそう悩み、なんとかダニエルを助ける方法はないものかと努力しましたが、自分の出してしまった禁令を取り消すわけにもいかず、とうとうダニエルは獅子の洞窟に投げ込まれることになってしまいました。王は「お前がいつも拝んでいる神が救って下さるように」とダニエルに言い残し、ダニエルの投げ入れられた洞窟に大きな石を転がし封をしました。
 次の朝、心配だった王は獅子の洞窟へ駆けつけ、「ダニエル、ダニエル」と呼びました。ダニエルは、「神が天使を送って獅子の口を閉ざしてくれました。私の無実は証明されました。私はあなたに背いたことはございません」と、元気な声で答えました。王はそれを聞いて喜び、ダニエルを陥れようとした者たちを引き出させ、獅子の洞窟に投げ込ませてしまいました。ダレイオス王はその後、全国民に「ダニエルの神は生ける神であり、畏れかしこまらなければならない」とおふれを出しました。
 ダニエルはダレイオス王、その後ペルシアのキュロス王の治世を通して活躍したと伝えられています。

   Back