February

 

 

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以上は、祭司エルアザル、ヌンの子ヨシュアおよびイスラエルの諸部族の家長たちが、シロの臨在の幕屋の入り口で、主の前においてくじを引き、受け継いだ嗣業の土地である。土地の割り当ては、こうして終わった。
(ヨシュア記19章51節)


 数々の戦いを経て、イスラエルの人々はカナンの地に入り、そこを平定することに成功しました。ヨシュアは主の命令通りにカナンの地を12支族の部族ごとに分割し、それぞれの地に定住させることにしました。それは言い換えれば牧民族であったイスラエルの民が農耕の民になったことでもあります。ヨシュアはイスラエルの全民族をシケムに集め、シナイ山での神との契約を改めて皆で誓い合ったのです。「シケムの誓い」と言われるものです。ヨシュアは地上を去る時、民の前で素晴らしい演説をしました。そしてそのヨシュアの言葉に民がこぞって答えたのです。
 「われらの神、主にわれわれは仕え、
 その声に聞き従います」


イスラエルの12部族とは、いったいどうして分岐していったのでしょうか?それはヤコブの話に遡ります。ヤコブには12人の息子がありました。死に臨んで、ヤコブは息子たちを1人ずつ寝床に呼んで、彼らを1人ずつ祝福して、子孫たちのそれぞれの運命を予言しました。実際にその頃から、イスラエルの人々は増え続けていた民を分けて部族に纏め膨大な集団を統治していったものと推測されています。ヨシュアのカナン征服の折にも12部族は部族の長を中心にヨシュアの許に団結していました。
 こうして「約束の地」に侵入を果たした後、ルベン、ガド、それにマナセ族のうちの2分の1は、モーセが彼らに分け与えたトランスヨルダン地方へ帰って行きました。ヨシュアはヨルダン川西岸の領土を残りの9部族とマナセ族の2分の1に分割しました。各部族はそれから後はそれぞれ独立して生活をすることになります。



 ガリラヤ地方にはアシュル族、ゼブルン族、イサカル族、そしてナフタリ族が住みつきました。ダンの部族は、割り当てられた地中海沿岸の平野を占領することが出来ずに、ヨルダン川流域平野の北端に移住しました。エフライム族及びマナセ族の2分の1は、中央丘陵地帯に移住し、ベニヤミン族はベテルとエルサレムの間の狭い地域を確保しました。ユダ族とシメオン族は南部の丘陵地帯を占めました。レビ族は、部族としての領土は持つことはしませんでした。
「しかしレビ人には、あなたがたの中で割り当て地がない。主の祭司として仕えることが、その相続地だからである。」(ヨシュア記18章7節)
とあるように神が祭司の役割を約束したからで、その代わりに国全体に亘って、各部族より48の町が与えられました。


ダン
ヤコブに「道端の蛇、小道のほとりに潜む蝮」と呼ばれたダン。彼らダン族に与えられたシェフェラ地方への移住は、強い抵抗に遭って断念せざるを得なくなり、ヨルダン川上流の平野へと移住しました。ここでライシュというカナン人の都市の占領に成功しこれをダンと名づけました。
ナフタリ
ヤコブに「解き放たれた雌鹿」と呼ばれたナフタリです。ナフタリ族は東部及び中央ガリラヤのハツフォルを含む広い地域を受け継ぎました。
アシュル
「王の食卓に美味を供える」と予言されたが、紀元前14世紀のエジプトの碑文にその名が記されています。この部族は早くから地中海沿岸の諸都市の隣人として交易をしていたようです。
ゼブルン
「海辺に住む。そこは舟の出入りする港となり、その境はシドンに及ぶ」というヤコブの予言は少なくともゼブルンの部族のうちの一部はもともと海岸に住んでいたことをうかがわせます。カナン征服の後、内陸に移動し、南ガリラヤの1部に定住します。
イサカル
ヤコブより「骨太のロバ」と呼ばれ「苦役の奴隷に身を落とす」と言われました。前14世紀までにガリラヤ地方に定着しました。
マナセ
ヤコブより「実を結ぶ若木」と言われたヨセフの息子になります。ヨルダン川の東と西に定住しました。カナン人の都市のいくつかもマナセの息子たち、娘たちと呼ばれるようになります。
ガド
ヤコブは「略奪者に襲われる、しかし彼は彼らのかかとを襲う」と予言しています。ギレアドの森林地帯を領有することになります。ギレアドはガドから来た名で、殆ど同じ意味で使われています。
ルベン
ヤコブの長子であるルベンは父の女を知り父の寝台を汚しました。その罪は重く「長子の誉れを失う」とヤコブは予言しています。その通り、ヨルダン川東岸地方でそれまでのような半遊牧民の生活を続けていましたが、その勢力はゆっくりと衰えて行きました。
エフライム
エフライムはヨセフの次男ですが、ヤコブの祝福を長子として受けました。ヤコブは「弟のほうが彼(兄)よりも大きくなり、その子孫は国々に満ちるものとなる。」と予言しました。中部の丘陵地帯に定住し、その地はエフライムと名づけられました。
ベニヤミン
「かみ裂く狼」と予言されたベニヤミン族はエルサレムの北方の領土を固めるために激しく戦いました。カナン征服のどの戦いにおいてもベニヤミン族は勇ましく強かったようです。エルサレムより北、エリコからギルガルに定住しました。
ユダ
「ユダは獅子の子。王笏はユダから離れず統治の杖は足の間から離れない」との予言通り、イスラエルの中でも最大の部族となっていきます。南部の丘陵地帯に移住しましたが、次第に勢力を伸ばしシメオンの部族も吸収していきます。
シメオン
ヤコブはシメオンとレビの乱暴な気性をたしなめて、「彼らは国中に散らされるであろう」と予言しました。カナン征服のあとシメオンはユダの嗣業の地の領土の中の一部を受け継ぎました。
レビ
レビはヤコブの予言の中でもシメオンと共にされており「イスラエルの間に散らす」と言われました。主はモーセを通してレビ族が代々祭司の職に就くことを命じました。カナン征服の後、他の各部族は自分たちの嗣業の地の中からいくつかの町と放牧地をレビ人に与えました。



 こうしてイスラエルの人々は自分たちの嗣業の地に向かって行きました。ヌンの子ヨシュアは百歳の生涯を終えエフライムの山地にある彼の嗣業の地ティムナト・セラに葬られました。その後、主がイスラエルの人々に行われた大いなる御業をことごとく見てきた各部族の長老たちが在命中は、イスラエルの各部族は乱れることなく主に仕えたということです。

ティムナト・セラにあるヨシュアの墓
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