February



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主なる神は言われた。「人は我々の一人のように、善悪を知る者となった。今は、手を伸ばして命の木からも取って食べ、永遠に生きる者となるおそれがある。」 (創世記 3章 22節) 

 

 エデンの園には沢山の木が生えていて、どれも美しい花や実をつけていました。神エホバは、その中に「命の木」と「善悪を知る木」を生やさせました。「善悪を知る木」は「知恵の木」とも言われていました。
 エホバは、アダムとエバを呼んで
 「よくお聞き。おまえたちは、この園になっている木の実はどれでも、好きなだけ食べても良い。けれどもこの『知恵の木』の実は、絶対に食べてはいけないよ。これを食べると死んでしまうから」
と言われました。
 アダムたちは、健康で無邪気で、不幸というものを知りませんでした。食べたいと思えば食べ物は有り余る程あったし、心が単純なので悩むということを知らなかったからです。もちろん悲しむこともありませんでした。二人とも裸でしたが、恥ずかしいということも知りませんでした。
 園の中の生き物の中で、蛇は最もりこうでずる賢い動物でした。ある日、その蛇がエバに言いました。
 「エホバが、食べてはいけない木の実があると言われたそうだけど、本当かい?」
 「ええ、本当よ。何でも食べていいけれど、あの木にはさわってもいけないし、実を食べてもいけないとおっしゃったの。それを食べると死んでしまうんですって。」
 「そんなことあるものか!どうしてエホバがそんなこと言われたのか、教えてやろうか。それは、その木の実を食べると、目が醒めたようになって、神様のように、物事の善悪が解るようになるからなのさ。食べたって死ぬようなことはないよ、食べてごらん?」
こうして蛇にそそのかされたエバは「知恵の木」を見つめているうちに、どうしても食べてみたくなりました。
 「善悪が解るって、どういうことなのかしら?きっとステキなことに違いない。わたしも神様のようになってみたい。それにこの実は、つやつやしていてとても美味しそうだわ。アダム食べてみましょうよ。少しならきっとエホバにも気付かれないと思うわ。」
 とうとうエバは、その実をもぎ取って食べ、アダムにも分けてやりました。実を食べたとたん、二人の心の目が急に開けてきて、自分達が裸でいることが恥ずかしく感じられるようになりました。二人はイチジクの葉を何枚か合せて体を隠しました。
 その日の夕方、エホバが来る気配がしたので、二人は木立の間に隠れました。
 「アダム、どこにいるのだ?」
アダムは小さな声で答えました。
 「あなたの声が聞こえたので、ここに隠れました。裸のままではいけないと思いましたので。」
 「誰が、お前たちに裸であることを教えたのか?おまえたちは、私が食べてはいけないと言った、あの木の実を食べたのではないか?」
聞かれるままにアダムとエバは全てを話しました。
 「蛇よ、おまえはあらゆる生き物の中でもっとも憎むべき者だ。おまえはその罰に、腹ばいになって一生の間塵を食べて生きるであろう。女よ、おまえは自分が愚かだったために、夫のアダムにまで災いを及ぼした。おまえは、子どもを産むとき苦しむことになろう。そして一生を夫に仕えて暮らすようになるだろう。
 アダムよ、おまえは一生苦労して、呪われた土から食べ物を取ることになるだろう。そして死んで土に返るのだ。わたしはおまえを土で造ったのだから、土に返るべきなのだ。
 さあ、もうここから出て行け。物事の良し悪しを知ったからには、次にはきっと「命の木」の実まで食べて、永遠の命を得ようとするだろうから。」
 こうして、アダムとエバは楽園から追い出されました。そしてエホバは、ケルビム(天使)ときらめく炎の剣を置いて、「命の木」を守らせました。
 エホバからあれほど厳重に禁じられていたのに、そのいいつけに背いて木の実を食べたこと、これが人間の犯した最初の罪でした。そしてそれがもとで、人類は神様からの恵みを失ってしまったのです。それから後、人の心に罪が入り、死がおとずれるようになりました。人間は代々皆、生まれながらにその罪を負っているのです。それが「原罪」なのです。
 しかし、それでも神様は、いつか悪魔の力を人間から取り去り、人間を罪から解放して下さる救い主を送ると、約束して下さったのです。

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