アブラムの妻サライは自分に子供が出来ないのをみて、若いハガルを夫にあてがいました。ハガルはエジプト生まれの女で、サライの侍女でした。アブラムとハガルの間には、まもなく男の子が出来ました。イシュマエルです。しかし、子供を産んだハガルはいつしか、正妻のサライを見下すようになったのです。サライはこれに憤って夫に訴えました。夫のアブラムは「お前の侍女はお前の手の中にある。お前の好きなようにしなさい。」そこでサライはハガルを苦しめました。 |
アブラムがへブロンの地に来てから20数年もたちました。アブラムとサライは神エホバの命令でそれぞれ名まえをアブラハム(多くの人の父)と、サラに改めていましたが、二人の間には子供が出来ませんでした。これは二人にとって悩みの種でした。
ある日アブラハムはテントの入り口に座って、何時ものように
「私も妻も年をとってしまった。神様はどうして子供を授けてくださらなかったのだろう」
と、考え込んでいました。ふと顔を上げると三人の人が目の前にたっているではありませんか。アブラハムはすぐに、その三人の人がエホバと二人の天使であることに気づいたので、跪いてうやうやしく三人の足を洗い、急いでサラにパンを焼かせ、木の下に食卓を整えるとありったけのご馳走を出してもてなしました。エホバはその真心のこもったもてなしにたいそう満足して、
「来年のいまごろ、きっと妻のサラに男の子が生まれるから、その子にイサクと名付けなさい。私は彼を祝福し、彼の子供達、そしてその子孫達と永遠の契約を結ぼう」
と仰せになりました。 |
その時、サラは離れたところにいましたが、その言葉を聞くと、心のうちで笑いました。すでにアブラハムもサラも百歳に近かったので、そんなことがあるはずはないと思ったからです。
エホバはそれを聞いてこういいました。
「なぜサラは笑ったのか?主に不可能なことがあろうか。来年の今ごろ私はここへ戻ってくる。そのころサラには必ず男の子が生まれている」
サラは恐ろしくなって打ち消しましたが、
「いや、あなたは確かに笑った」
とエホバに言われたのです。 |
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やがて神エホバのお言葉とおり、サラは祝福を受けて身ごもり、男の子を産みました。アブラハムは彼をエホバの言ったようにイサクと名付けました。やがてイサクも大きくなりイシュマエルと遊ぶようになりましたが、大きいイシュマエルは何かについてイサクをいじめました。それを見たサラは、こころよく思わず、夫のアブラハムにこう言いました。
「この侍女とその息子を追い出して下さい。この子供はイサクが成長して世継ぎとなる時きっと邪魔をするでしょう。この子に、私の子イサクと共に世継ぎとなる資格はありません」
ついに、アブラハムはハガルとその子イシュマエルを追放することにしました。
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ハガルはベエルシェバの荒野をさすらいましたが、やがて皮袋の水も尽きたので、死を覚悟しました。イシュマエルを木の下に置いて、自分はその鳴き声が聞こえないように、離れた場所に座っていました。
その時、子供の泣き声を聞いて、天の使いがハガルに現われて言いました。
「ハガルよ、恐れてはいけない。神はあの子の泣き声を聞かれたのだ。さあ、あの子を抱き上げて進みなさい。私はあの子を、大きな国民としよう」
少年はその後立派に成長して、バランの荒野に住み、弓を射るものの祖となりました。 |
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イサクは信仰によって与えられた子供でしたからアブラハムは神様からのプレゼントとしてイサクを神様を愛する心で愛しました。自分の夫や妻、子供を神様が与えてくださったプレゼントだと思い、感謝して愛すると、その人は幸せになれます。“神は実にそのひとり子をお与えになったほどに世を愛されました。”神様は人間を愛してイエス様をプレゼントしてくださいました。イエス様を信じて感謝し愛すると、喜びと笑いが湧き出るのだと思います。
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