牧師コラム

 

第16回 主の約束を信じて
2025.8  須賀 工 (すか たくみ)
  主よ、あなたはその仰せを守り
  この代からとこしえに至るまで
    わたしたちを見守ってくださいます。
  (詩編12篇8節)

 戦後80年を迎えました。しかし、今も変わらず、世界では戦争が絶えません。社会においても、分断や争い、差別が絶えることがありません。平和を信じて祈り続けなければいけないと思うこの頃です。
 最近「日本人ファースト」という言葉が流行りました。そこは「日本人一番」と表現すべきではないか、なんで半分英語やねん!とツッコミどころもありますが、面白いことに、このスローガンは、「日本人」にフォーカスを当てています。国としての「日本」ではありません。そうでありますから、日本に生きる日本人の今日の実生活を守ることを中心線において、この政治思想を掲げていることになるのだと思います。世界情勢や今の日本の状況、戦争問題、環境問題、外交の課題、基地問題など、国を挙げて取り組まなければいけない諸問題に対してというよりは、まずは、そこに生きる一人の国民の生活を守ってくれる何か。そういうものが、国民の間で、トレンド化されたり、必要化されたりしているのかもしれません。
色々な考え方や意見があって良いとは思いますが、これからの世界が、どのような歩みを進めるのか、神様の導きを心から祈り願うものであります。
 私たちは、この地上の現実の他に、神様の真実を見上げる目が与えられています。その真実とは、神様の救いに基づく約束です。混沌となった現実の背後に、神様の救いの約束を見ることができるわけです。混乱、混沌が永遠ではないことを知りながら、今日を生きることができる。いやそれだけではなく、そのように救いを約束してくださる御方が、この現実を生きる、私たちに眼差しを向けて下さっているということも知っているのです。
 教会の役割の一つは、この神様の真実とこの世の現実の中間にたって、この希望を味わい、それを伝えていくところにあるのかもしれません。ということで、私は、今日も、明日も、「イエス・キリスト ファースト」と叫びつつ、自分が受けた希望を、堂々と指さすものでありたいと、思うところであります。