牧師コラム

 

第9回 「避けどころのある生活」
2025.1  須賀 工
 あなたを避けどころとする者は皆、喜び祝い
 とこしえに喜び歌います。
 御名を愛する者はあなたに守られ
 あなたによって喜び誇ります。
       (詩編5篇12節)

 主の2025年が始まりました。昨年は、大きな災害による深い悲しみから始まりました。そして今もまだ、十分な支援も得られないまま、新しい年を迎えました。痛み、苦しみ、悲しみの中にある方々の上に、また、その地域にたてられた諸教会の上にも、神様の慰めと励ましと助けが豊かにありますように、これからも祈り続けて参りたいと思います。
 私達の人生は、常に、揺れ動くものであり、変化の絶えないものであると言えるでしょう。今日当たり前であったことが、明日には当たり前ではなくなってしまうことがあります。人間の心も同様に、移ろいやすいものです。今日愛したものが、明日は憎しむものとなっているかもしれません。
 しかし、神様は、偽りのない御方です。偽りがない、ということは「変わらない」ということです。神様は、常に真実であり、真理(曲がらない道)であり続けます。それ故に、神様が、私達を、キリストにあって愛しておられること、祝福していることも変わりません。たとえ、私達が変わりやすいものであったとしても、神様が私達を愛していることに変わりはないのです。
 それ故に、私達は、どのような痛みや悲しみの中に置かれても、変わることない、いつでも帰ることのできる居場所が、主のもとに備えられているのです。人間は、放蕩息子のように、あっちいったり、こっちにいったり、時には不平や不満をもらしたかと思えば、真面目に信仰生活を送ることもある。良い方向に行く時もあれば、悪い方向に行く事もある。そういう存在ではありますが、神様は、それでも変わることなく、聖霊によって、愛を注ぎつけてくださるのです。
 新しい一年もまた、そのような神様の変わることない愛と御守りを覚えつつ、主に支えられていることへの喜びを思い起こしながら、歩めたらと願っています。そして、その喜びを感じられないほどに、悲しみの中にある方々を覚え、一人一人の回復を祈り求めながら歩んでいく人であれたらと願います。

(すか たくみ)