牧師コラム

 

第4回 「違いを越えて」
2024.8  須賀 工

 
 8月7日、礼拝に出席してくださっているシルバーさんとウォランダさんの結婚式が行われました。アメリカ人とインドネシア人の結婚式を、日本人の牧師が司式するという、今までにない経験となりましたが、言語の壁、文化の壁を越えて、一つの福音、一つの真理のもとで、一人の主を礼拝できたことは、私達にとって、信仰のよき糧とされたのではないかと思わされます。正に、キリストにおける福音、十字架の言葉は、神と人、人と人を結ぶ力となることを、改めて実感させられたようにも感じるのです。
 8月は特に、平和に思いを馳せる時期であると言えるかもしれません。そして、同時に、争いの絶えない現実に対して、怒り、悲しみ、憂慮することもあります。平和を望みながらも、真の平和が得られない世界の情勢を思う時、本当に、心が痛みます。また、国家の政策に対する不信感・不安感はぬぐうことはできません。
 私達は、キリスト者でありますから、人による平和以上に、神様による平和を、心から願うものです。人はバラバラです。言語の違い、文化の違い、思想の違い、環境の違いがあります。それらを認め合い、受け入れ合うことを目指しながらも、実際には、人間同士の隔てを生んでいます。
 このような時代であるからこそ、違いを越えて、一つの恵み、一つの救いを、共に分かち合う世界を祈り願うものでありたいのです。聖霊降臨の際、弟子たちは、別々の言葉で、しかし一つの神様の救いを語り始めました。今こそ、教会は、聖霊を求め、霊性の回復を目指し、ただ一つの福音を愚直に宣べ伝えるべく、主のもとに立ち帰る時なのかもしれません。
 今もまだ、深い痛みの中にある方々、今まさに、苦しみや悲しみの中にある方々、さらに、十分な支援が行き届いていない被災地の方々の上に、神様の平安が、豊かにありますように、そして、私達が必要な器として、主によって用いていただけますように、心からお祈り申し上げます。

  (すか たくみ)


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