今月の特集題
  主の光に照らされて

生活の中に響く御言葉




愛の十戒
遠藤 孝
 朝、聖書を読んでいると、ドアの外で仔猫のナナ(六ヶ月)が待っている。動くものにじゃれる・かじるので部屋から閉め出してしまう。目覚まし時計は四時にセットしてあるが、その前から起きだすとナナも共に活動を始め、後をついて歩くためである。
 ルカによる福音書を半章から一章ずつ読んでいる。その中で心にとめた個所について考えるが忘れてしまうことが多い日々。
 「あなたがたの父が憐れみ深いように、あなたがたも憐れみ深い者となりなさい。」(6章36節)の個所を思い出しながらキャベツの苗を植えていた。
 「何を植えているのですか」と近くで野菜を栽培しているMさんが聞いてきた。
 「もし苗が余ったら下さい」と話された。
 「この列の本数苗だけしかありません。1月ころから収穫できる苗は、これから小さな苗をポットに移植します。何株ほどの苗を植えますか」
 「15ほど欲しいのですが」。
 後日、そのMさんに連結ポットに25株の苗を渡した。その時、「玉ネギは、いつころ種蒔きをしますか」と聞いてきた。
 「昔は、9月15日前後でした。収穫時期に花芽(とうだち)が出るので、近年では、お彼岸ころに種蒔きしている。それでも、少しは花の芽が出るでしょう。気候が暖かくなってきているので遅いほうが良いでしょう」と答えた。
 人との交際・活動が少ない私。近所の人にあいさつするか、畑での会話程度の日常生活での出来事であった。
 みつばさ編集委員さんより「生活の中に響く御言葉」の題で原稿依頼を受けた。忘却がひどいので、響く言葉を心にとめて聖書を読んでいても忘れてしまうが、主日礼拝の説教で示される牧師の話は心に響いてくる。
 9月1日の主日礼拝の中で「コリントの信徒への手紙二 13節」と聞こえたので、開いていると、牧師が拝読する個所と違うところを開けている。第一コリントの聞き間違えであった(耳鳴りのため)。
 その後、「ローマの信徒への手紙12章12〜13節は愛の十戒と呼ばれキリストの愛がさし示されている」とのことでした。
 さらに「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。」(15節)との牧師の話が響き生かされている。
(えんどう たかし)


み言葉に支えられて歩む者の恵み
石橋由美子
 私は牧師の妻ですのに日々祈りの少ない者です。ですが最近は就寝前に「主よ、私の魂を御手に委ねます。この地上に真の平和が来ます様に、孫6人が光の子として成長します様に主に在って祈ります・・・」と短く祈っています。
 朝には、病床にある方々の名をあげて祈ります。この春突然の腰痛に見舞われ、3ヶ月してやっとラジオ体操も出来る様になり、71歳の体に要注意のサインが出ました。私の生活信条は、予期せぬ事に直面した場合、次に進む為の試練と思う事で今迄乗り越えて来ました。公私共に四苦八苦しつつも私なりに頑張って来たのですが、未だに不完全燃焼の日々なのです。何故なのかと反芻して今さらながら気付いたのです。
 フィードバックして分かった事は、私の幼少期は病弱で父から誉められた記憶が余りなく、公私共に厳格で職人気質の父に叱られない様に振るまう日々でした。
 母は働き者で原クリーニング商会を縮小した後も父の外交の売り上げの計算を80歳近く迄手伝い「由美子も石橋さんの為に働きなさい」と言いつつ、周りには「お蔭様で皆さんと楽しくしています」と言いなさいと私を励まし続けてくれたのです。その母の配慮で中学、高校とキリスト教主義の私立校に入学して朝礼拝で詩編を通読し翌日には毎日一行日誌を6年間提出して聖書が身近になったのです。
 入学後、近くの日本福音ルーテル田園調布教会に出席し高校生会で良き友、良き師に出会い活動を通して自然と聖書を開く事が当たり前になり、高校3年の聖霊降臨日に受洗したのです。
 私は今も恐がりで歯科の歯石除去中は讃美歌332番を頭の中で歌いながら耐えています。又友人、教友、家族の事で躓き悩む時、夢中でみ言葉を求め捜しまくります。
 この原稿依頼の際与えられたみ言葉が「あなたの重荷を主にゆだねよ。」(詩編55篇23節)です。以下朝日新聞掲載(9/7)のコラムを引用します。「許せない自分がつらい」との投稿に淀川キリスト教病院のチャプレンの藤井理恵牧師が返答し、先程の聖句を引用されました。投稿者の女性は「英語で読むと『委ねる』がCast(投げる)と書かれていた。それで『ああ投げていいんだ』と気持ちが変わり『初めて祈ることが出来ました』と・・・』『十年来の恨みが消えて面と向かって『赦す』とは言えないけれど赦せないしんどさを抱えて生きることはなくなりました』とあり恨みから解放されて最後の日々を過ごしました」という内容の記事でした。
 私も自己完結したくてもがきますが神様に全てを打ち明けて祈る事が出来れば良い道が開かれ、喜びで満たされると信じてこれからも歩んで参りたいと思っています。
     
(いしばし ゆみこ)

越谷教会月報みつばさ2019年10月号特集
「生活の中で響く御言葉」より



特 集