今月の特集題 聖書を読んで祈って伝道する
わたしの出発点
古澤ひかる |
昨年11月、一晩だけ家族に留守番を頼み、教会学校もお休みをいただいて、友人三人と共に富山を訪れた。 年賀状に書かれた「開通したての北陸新幹線に乗って富山のK牧師に会いに行こう!」という呼びかけの下、普段はバラバラにそれもかなり遠く離れて住んでいる四人(一人は米国在住)の間で膨大な量のメールのやり取りがあり、旅程が決まっていった。皆仕事や家庭の事など何とか都合をつけて数十年ぶりの再会が実現したことは奇跡のようだった。 日曜日早朝出発し、K牧師の教会の礼拝に出席し、その後少し観光、夕食時には夕拝を終えて途中参加のK牧師ご夫妻も交えて、夜遅くまで話が弾んだ。二日目はご多忙にも関わらずK牧師が車で富山市内をあちこち案内して下さった。 この友人三人とは高校生の時、荻窪教会青年会時代からの付き合いである。当時まだ東神大の学生でおられたK牧師も、最近越谷教会にも来て下さった雲然牧師も神学生としてメンバー全員の先頭に立って下さっていた。当時青年会は人数もそれなりに多く、夏の修養会や、ワークキャンプも企画され結構活発に活動していた。メンバーの多くが聖歌隊や教会学校の奉仕もしていたので、正直に言えば「毎日曜日遅くまできついな…」と当時は思うこともあったが、今では友人たちと色々なことを語り合い過ごした濃い時間がとても懐かしい。 今回テーマをいただいて、「わたしの出発点」はこの頃と言えるかなと思った。 クリスチャンホームに生まれて、幼児洗礼を受け、そのまま「日曜日は教会に行くのが当たり前」の環境で育ったのだが、肝心の信仰告白はというと、いつかはと思いつつなかなか決心がつかず、だらだらと先延ばしにしていた。 そのうちに、今回の友人の一人が「私も洗礼受けるから、一緒にどう?」と背中を押してくれたのである。何だかあまり胸を張って言えないきっかけだが、このときは本当に心底有難いと思った。おかげで学生時代1982年のクリスマスに、福島勲牧師により、友人は受洗、私は信仰告白をすることができた。その時に起こったハプニングも富山の夜の話題に上った。 現在越谷教会の青年会は残念ながら休会中のようだ。特に若い時には何でも話し合える同世代の信仰の友の存在はとても大きいと思う。今は昔と違い青年も皆忙しくてなかなか難しいかもしれないが、また復活してくれることを心から願っている。 |
(ふるさわ ひかる) |
岡田 浩幸 |
越谷教会とも関わりの深いキリスト教主義の社会福祉法人で事務員として働いている。 保育所、乳児園、児童養護施設等、子どもの施設に囲まれた本部事務所が勤務先である。人事異動で事務員になって8年目を迎えたがこの8年間は公私ともにいろいろな事があった。 結構大変だったなあと思いつつ手帳をたどりながら書き出してみた。 あらためて書き出してみると、私だけが体験するような特別な事ではなく、多くの人が経験するような出来事のような気もする。楽しかった事や嬉しかった事、傷ついた事、つらい事もあった。同僚の旅立ち、上司の急な退職等いろいろあったが、誰もが経験するような一つ一つの出来事の中に人生の節目、岐路と言えるような事があった。私はそれらに直面するたびにうろたえ、大きく動揺し、憤りを覚えたりした。そんな時にインターネットや本で打開策を求めても明快に解決策が得られる訳ではない。信頼できる友人や上司に助言を求めると時間をかけて丁寧に話を聞いてくれるが、結局は自分なりに受け止め受け入れていくしかない。急に突きつけられる人生の岐路は拒絶や否定だけでやり過ごせるものではない。 日々の生活は学生の頃から目指し望んでいた事とは別の方向に進んでいて、その方向性は自分の力では動かすことができない現実があったりする。 そんな生活の中で「神の摂理」という恵みがほんの少しだけ分かったような気がする。「(私の)生活に起こるすべての事は偶然によることなく、天の父の熟慮と意志によってもたらされる。」(ハイデルベルク信仰問答) 想定外の出来事に直面するたびに信仰者として破れだらけの自分の姿がはっきり見えてしまった。でもそれは私にとって良いことだった。そんな私に出来ることは聖書を読む事。一行でも多く御言を心に刻みたい。 数年のブランクを経て最近は越谷教会の礼拝に続けて出席できるようになった。 再 び礼拝から押し出されて次の礼拝を目指して歩む生活へ! 信仰生活は私の行いではなく、主イエスキリストのお働きによるもの。そのことを知らされた今こそ再出発の時だと思う。 「ふさわしい定めはすべて主から与えられる。」(箴言16章33節) 「主は御旨のままにその方向を定められる。」(箴言21章1節) 主の日ごとに主の御言の前に進み出る、神様の御前に進み出るその信仰を与えられたい。この事を願います。 |
(おかだ ひろゆき) |
越谷教会月報みつばさ2017年7月号特集 「わたしの出発点」より |