今月の特集題  祈り




「おばさん、燃えてるよ!」
関口 幸子
 2月28日、朝の韓流ドラマが終わった頃「おばさん、燃えてるよ」と言う声が、玄関先から難聴の耳に飛びこんできました。
 あわてて玄関のそばの台所に出てみると、ガスレンジの上でフライパンが燃えていました。そうだ、あられを揚げようと思って油をフライパンに入れて火にかけていたのです!燃えている火を見て、自分が何をしようとしていたのかを思い出しました。
 50センチ位炎が燃えあがっています。今はとにかく火を消さなければ……。油だから水はかけられません。確かカーテンをかぶせた、と言っていた友だちがいました。とりあえず近くにあったバスタオルやセーターをかぶせているうちにスプレー式の消火器があった事を思い出しました。それで何とか油は消火しました。また、めらめらとあちこちで燃えている小さい火は水道水をバケツに汲んで消しました。そして消防車が来た時には何とか鎮火していました。ガスレンジまわりのボヤですんだのです。
 二月は火災のニュースが続いていましたが、まさか自分が失火するとは思いもしませんでした。人生には「まさか」という坂もあったのです。「火を点けたら離れない」そんな当たり前の事を再認識させられました。
 そんな中にあって、今回は「祈り」というテーマを頂いていました。
 私にとって祈りとは、ありのままの姿で、すべてをご存じの神さまに、それでも願い求める事だと思うのです。そして 霊 も私達のうめきをとりなしてくれています。          
 またどう祈ったらいいかわからない弟子たちに、イエスさまは「主の祈り」を教えられました。
 どうしても祈れない時は「主の祈り」を祈ればいいのです。私の睡眠薬は「ラジオ深夜便」と「主の祈り」かも知れません。眠れない時は「主の祈り」を何回か祈っているうちにいつの間にか寝ています。
 これを書いている時に、大阪の友人から電話がありました。彼女は大阪教会の
青年会時代の求道者でした。私は忘れていたのですが「私の手を離さないで!」と言ったそうです。その後、受洗され、それから、時々電話を頂くようになりました。いつものようにお互いの近況を話しているうちに「主の祈り」の話になりました。すると「今、夕食の前に主人と一緒に『主の祈り』を祈っています。十年かかりました」と言われました。
 「主の祈り」を共に祈るだけでも十年…。伝道は十年単位なのでしょうか。
 婦人会会長としての抱負ですか〜。「強いられた恩寵」の中で、神様への賛美と救われた感謝のうちに忍耐強く熱く燃えて伝道する婦人会であったら、いいですね……。
(せきぐち ゆきこ)


おひさまあはは
土屋 恵子
 そよぐ風に色とりどりの花が咲くこの季節は最も好きな季節なのに、花粉症に悩まされています。
 新年度を迎えて担当する0才児クラスにも新しい子どもたちを迎えました。初めて出会うたくさんの大人たちに安心できる筈もなく、小さな目に涙が光っています。
 「だいじょうぶ一緒に楽しくあそぼうね」の思いをこめて、絵本「おひさまあはは」(こぐま社)を読みます。「おひさまあはは」は、ことりもあはは、おはなもあははと続きます。笑うこと時に大変なこともあるのです。今を受けとめてもらえることで、安心な見守りがあり、喜びをもち、 笑顔で歩きだせることは私も感じたことでもあります。
 2年前義母が亡くなりました。私が夫を亡くして13年間、持病があり病床にあっても、孫2人と私の仕事に生きる日々を支えてくれた優しい義母に感謝しています。実母は83歳ですが、義母との生活が長いので不思議です。
 NHKの朝ドラ「おひさま」は長野県安曇野町を舞台にしたもので、義母は大町の出身でしたがアルプスの山並みや、懐かしい風景が映るので喜んで観ていました。 
 おひさまのテーマ曲「大切なあなたへ」は私の中で、夫とその両親からの贈りものの歌に響いていました。子どもたちも社会人になり、一人でいる寂しさがようやくわかりはじめましたが、幸いに、仕事の仲間や友人が、支えてくれていたことが何よりの励ましになりました。そして気づきました。歌詞の中で「あなたはわたしの光あなたはわたしの希望、暗い闇も行きどまりも……」と大切な家族だけでなく、わたしには消えて失くならない神様がいて下さり、今までずっと守られてきたことが大きな支えとなり生かされていたことに気づきました。
 私は洗礼を受けて30年近くになりますが、礼拝に出席して、説きあかされるみことばを聴く度にみことばの深い意味が伝えられていくことに喜びを頂いています。いのちのみことばは、本当に心を広くして、さまざまな苦難を乗り越えさせてくれるのだと感じています。
 職場の勉強会などで教会にむかえない時もありますが、幼な子たちと出会う中で、さみしさと悲しさの中にいた私を笑顔で支えて、安心させて生かして歩ましてくれたあたたかい見守りに感謝して、私は保育という人として生きていく土台づくりの尊い仕事に関わることのできる喜びを、そして、そこにいつも神様がいて共に歩いて下さっていることをこれからも力にしていきます。
 絵本「おひさまあはは」を明日も一緒に楽しんで、祈る時に小さな手をくみあわせて、目をとじて心を合わせる幼な子たちのためにみことばを心に抱いて、感謝して、笑顔で向き合って過ごしていきたいです。
(つちや けいこ)
越谷教会月報みつばさ2013年4月号特集「祈り」より


特 集