牧師の家庭訪問

祈り、祈られる喜び

石橋 秀雄

 緊急事態宣言で、自宅礼拝をお願いせざるを得なかった。最初の礼拝の日、役員以外にいない教会の礼拝で非常な寂しさを感じた。説教は対話だと言われるが対話の相手がいない。そこで、全家庭を回る決心をし、その決心を口にした。言った以上何が何でも達成しなければならない。
 説教原稿と聖書研究の原稿と訪問する家庭で祈る内容を予め書いたカードを封筒に入れて回った。
 東越谷のマンションに行った。ポストが分からない。マンションに入ったところで祈って帰った。次に玄関を入って自動ドアの中に入ったらポストがあると聞かされた。しかし、ダイヤルがついていて受け取り専用だった。そこで祈って帰った。郵便屋さんが入れるポストがあるはずだと思って次に探したが見つからず。結局封書は郵送した。Aさんのところに行った。住所に西方南町とあったが、カーナビで南町が入らない。電話で聞いたら平方だった。西方と平方では場所が全然違うのに郵便物は届いていたそうだ。
 6月4日午前6時に家を出た。新座、朝霞と回りそして市川で全家庭を回り終えようと思って家を出た。Bさん宅を目指した。2-5-30カーナビが目的地は左側にあると言った。左を見た。Bさんの家ではなかった。表札に確かに2-5-30とある。車を降りて歩いたが見当たらない。2-5-30で祈って次のところに出発した。6時台だったので電話ができない。8時過ぎに電話をした。Bさんが出て「この一帯すべてが2-5-30です」と聞いてビックリ。父親のCさんも知らなかった。さすがに疲れ果てたが、最後に市川に向かった。すごいマンション群だ。歩いて探そうと車を止め、そばにいた中学生に聞いた。B-18はこのマンションだと知らされた。目的のマンションの側だった。嬉しかった。
 祈って回りながら、祈られている事をヒシヒシと感じて励まされた。140人と二人の副牧師を訪ねた。年に一回くらい回りたいと思った。

         (いしばし ひでお)


越谷教会月報「みつばさ」2020年6月号より