本  音

清水 創

 ある日、母と夕食を食べていた時、私は言った。「最近さぁ、CSの手伝いする意味ないんじゃないかな?って思ってるんだけど」。正直、授業のない日曜の朝から自分の卒業した幼稚園で先生方の奉仕をするのは積極的にやりたいとは思えなかった。
 すると、嫌気がさしていた私に母は短くため息をついてから言った。「他人(ひと)に必要とされるという事は、期待されるという事はすごくいい事なんだよ」。高校時代、私は決して楽しかったと言える程の思い出はなかった。居場所もなかった。
 しかし、そんな私を必要としてくれるのなら、期待してくれるのならば、その貴重な期待に応えなければと思った。改めて考えさせられた。挫折している暇はないのだと。

(しみず はじめ) 




越谷教会月報みつばさ2012年7月号「声」より