ご飯でパン

御園生和美

 三月より奏楽のご奉仕をさせて頂くことになりました。まだ数えるほどしか弾いておらず、毎回緊張しながらの演奏ですが、教会の方々には支えていただいて、本当に感謝しております。
 さて、今、夢中になっている事。「今」だけでなく、すでにもう十年になりますが、ホームベーカリーの食パン作りに、ずっとはまっています。
 初めて使ったホームベーカリーは、息子の学校の近くの教会のバザーに出ていた中古品です。確か千円でした。それまではパンはもっぱら「食べる」専門で、作るほうはそれほど関心がありませんでしたが、試しに焼いてみると、これが思いのほか美味しいのです。部屋中に漂うパンの焼ける香ばしい匂い。焼き立てのふわふわの真っ白なパンをちぎって一口。ほんのり甘みが広がって幸せな気持ちになりました。
 それからは自分なりに、使う小麦粉を研究したり、中にドライフルーツも入れたりして、いろいろ試してみました。ホームベーカリーはいつしか二台目になりました。
 一昨年からの米粉ブームで、私も米粉を使ってパンを焼いてみましたが、なかなか思ったようにできません。
 そんなある日、新聞に載っていた「ご飯」を使ったパン作りの記事を見て、早速作ってみました。生地の中に炊いたご飯そのものを入れるのですが(残りご飯でいいのです)、これが大成功で、小麦粉だけのパンに比べてよく膨らみ、適度にもっちりとした食感があります。
 最近では「ご飯」パンをアレンジして、水の代わりに牛乳にしたり、きび砂糖やシモン芋の粉を入れたりして楽しんでいます。今は作るパンはほとんど、この「ご飯」パンです。ちなみに、入れるご飯は胚芽米が良いようです。
 私が焼くパンのことを家族は「ママパン」と言います。洋食だけでなく和食にも登場する「ママパン」は、我が家の元気の素です。

        (みそのう かずみ)


越谷教会月報みつばさ2012年5月号「私・・・に夢中です」より