ぺんぎんペンギン
                                                                            
 
舟橋葉子   
 
 1995年5月に「ペンギン!」というタイトルの舞台を見たのがきっかけでペンギンが大好きになりました。
 以来、本物のペンギンはもちろん、写真やぬいぐるみ、置物、食器、布の柄、何であろうがペンギンだというと振り向いてしまいます。
 大阪の海遊館には、巨大な円筒型の水槽があり、ジンベイザメと一緒にペンギンが泳いでいます。パタパタと歩く姿からは想像しがたい、ジェット機の迫力と空を飛ぶ燕の流麗さを兼ね備えた泳ぎです。 
  

                    

 「皇帝ペンギン」という映画がありました。
 南極の、海辺から百キロも離れた場所で皇帝ペンギンは卵を産みます。脚の上で卵を温めますが、うっかり地面に落とすとその瞬間に卵は凍り付き、生まれるはずの命は死にます。やがて父に卵を託し母ペンギンは海に向かいます。食糧補給のためです。母が帰るまで父は命がけで卵を守ります。ペンギンは、天敵に対して戦う手段を持ちません。集団で弱い仲間を中心に囲み固まって立っている、それだけです。襲ってくる猛鳥も、激しいブリザードも、仲間と一緒に固まっていることで切り抜けるのです。母ペンギンが家族の元に戻り、餌を分け与えます。子どもペンギンが少し成長すると、今度は家族で豊饒の海に向かいます。また百キロの旅なのです。

 南米原産のフンボルトペンギンは、元々の故郷よりも日本の水族館での数が多いとさえ言われています。南米の自然環境が厳しくて生息数が減ったにの対し、日本でのペンギン人気のために、水族館が積極的に産卵させ飼育するせいなのでしょう。
 日本人は世界でもトップクラスのペンギン好きな国柄だそうで、ペンギングッズ専門店もあります。ペンギンアート展という、ペンギンをテーマにした作品なら何でもOKという展覧会もあります。

 自然界では過酷な環境にいるペンギンですが、キャラクターとして採用されると、途端にほのぼの、のんびりムードです。
 集め出すと切りがないので自粛していますが、我が家の玄関を入るとガラスのペンギンたちが出迎えてくれるのです。
  
    
  (ふなはし ようこ)



越谷教会月報みつばさ2012年1月号「私・・・に夢中です」より