童心にかえって

小田久四郎

 「ピン ポーン」 インターフォンで。足の悪い私がゆっくりとしながら出ると画像に写っていない。「どなたですか」と声をかけると「おじいちゃん、○○君、あけて」と玄関のドアをたたくのです。 
 顔を合わせると挨拶だけのご近所さんでしたが四〜五年前より世帯交代で、子持ちの若いご夫婦がふえています。
 今では十人程の子どもさん達の遊ぶ声につられて、玄関のドアを開け、上がりかまちに腰を下ろし眺めていると・・・遊びにあきたのか、他所より広い玄関に入って来て、聞き取れない言葉で話しかけて来ます。 
 今ではすっかりなれて、冷蔵庫の中をのぞき、自分の指定席に冷たいもの、お茶菓子等、○○君の家であるかのような振る舞いです。そばで見ている私は吹き出してしまう場面もあり、子どもの心にかえり、毎日が楽しみです。
 こんなひとときを過ごしている近頃です。
         

(おだ きゅうしろう)




越谷教会月報みつばさ2011年12月号「Tea Time」より