第16日


12月16日(月)



あなたがたはどう思うか。ある人が羊を百匹持っていて、その一匹が迷い出たとすれば、九十九匹を山に残しておいて、迷い出た一匹を捜しに行かないだろうか。
(マタイによる福音書18章12節)



 ある日イエスさまは、学者や神殿の偉い人が不平を言うのを聞きました。
「イエスはいつも貧しい人や悪い人たちと一緒にいる。私達のほうがもっと偉いのに」
イエスさまは、その人たちの威張った顔と立派な服をながめました。イエスさまのお話をよく聞かないで議論ばかりしている人達です。それから、イエスさまは、傍に座っている人達を見ました。ある人達はボロを着てお腹を空かせています。イエスさまは学者たちに言いました。「このお話をよく聞きなさい」





 ガリラヤの近くに羊飼いがいました。大変羊をかわいがったので100匹の元気な羊の群れを持つようになりました。羊全部をよく知っていたので、一匹でも怪我をしているとすぐわかります。
 ある朝、羊飼いはとても心配でした。羊が一匹足りません。最初は間違えたのかと思いました。もう一度数えてみます。でもやっぱり99匹しかいません。羊飼いは「かまうことはない・・まだ99匹も羊がいる」と思ったでしょうか?いいえ99匹の羊を置いてすぐに迷子の羊を捜しにいきました。
 良い羊飼いだったので、どの羊が迷子になったかは知っていました。見つかるまでは休もうとしません。羊飼いは羊が丘の何処で迷うか、何処が危険で羊が落ちやすいか良く知っていました。一生懸命捜しました。危険な所も見ました。どうしても迷子の羊を見つけなければいけません。
 とうとう、丘の上で見つけました。岩の間に挟まっていた羊を抱き上げて怪我をした足に包帯を巻いてやりました。羊は、ほっとして羊飼いにすがりつきました。あたりは暗くなっていました。羊飼いは一日中何も食べず、足は岩ですりむけ傷だらけでしたが、羊が見つかったことが嬉しくてそんなこと気になりませんでした。
 かわいそうな迷子の羊を群れに戻しもう一度数えてみました。
「・・・97 98 99 100」
ああ100匹ちゃんといるぞ!喜んだ羊飼いは仲間の家に寄り「迷子の羊をみつけたんだ、一緒に祝ってくれ」と言いました。
仲間も非常に喜びました。羊を見つけることがどんなに大事なことか知っていたからです。

★ ★ ★  ★ ★ ★  ★ ★ ★  ★ ★ ★  ★ ★ ★

 イエスさまは学者達に言いました。
「神の国はこの羊の群れのようなものです、わたしはその羊飼いです。わたしは羊全部の世話をします。一匹一匹名前を知っています。あなたがたのうちたとえ一匹でも迷子になれば、見つかるまで捜し続けます。助ける為には命でも与えるでしょう。そして見つかると天で天使達と共にお祝いをするのです.。」




          

Back