クリスマスツリーと言えば、モミの木、モミの木と言えばクリスマスツリーと誰でもが思うように、モミの木はクリスマスには欠かせない植物となっています。モミの木はマツ科モミ属の常緑高木です。世界の暖帯、温帯、亜寒帯に約40種が原産し、うちわが国には10種程、秋田・岩手地方以南から屋久島までの主に太平洋岸の尾根筋や斜面上部などの急傾斜地に自生しています。真っ直ぐに伸びた幹は大きいもので数十メートルにも達します。花期
は初夏,球果は円柱形で長さ10〜15p、雌雄異株です。若木では葉の先端が二つに分かれており、先端は棘となっており痛いです。葉の裏面には白色の縦線があり、この部分に気孔(気孔列)があります。樹皮が揉んだように見えることから「モミ」と呼ばれるようになったそうです。
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では、どうしてモミの木がクリスマスツリーに使われるようになったのでしょうか?モミの木を横から見ると三角形で、その形が三位一体をなす為だとか、イエスの十字架がモミで作られていたためだとか、さまざまな説があります。でも、一番大きな理由は常緑樹であること。冬至に近い日、12月25日が聖誕の日と定められてから、冬に枯れないこの木が用いられたものと思われます。それに常緑樹は永遠の命も象徴しているのですから理由としても十分ですね。こうしてモミの木はクリスマスには飾り付けられ立派に役割を果たすようになったのです。ではその飾り付けはいったい何時頃から行われるようになったのでしょうか。 |
花も実もない木に、にぎやかな飾りをつける… ここには、木の精霊を呼び戻す古人の祈りが込められています。11世紀ごろには、木にいろいろなものを飾るという風習が各地に広がっていたようです。
今日のように飾りつけをほどこしたクリスマス・ツリーの原型は、 16世紀ドイツではじまったといわれます。例えば、色紙、リンゴ、ウエハー、金属、砂糖などで作った飾りが人気がありました。ストラスブルグ周辺では、モミに限らず常緑樹を家の中に入れてクリスマス期間に飾りつけるという、現在とほとんど変わらない習慣が生まれています。
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17世紀、クリスマス・ツリーはスカンジナビア諸国にまで広がり、各地の習慣をとりこんでいろいろなもので飾られるようになりました。最初はキャンドルやキャンディで、後になってリンゴやお菓子類、そしてさらに時代が下ると人形や金属製のキラキラ光る飾りが沢山作られました。また、まさに「この世の光」キリストの象徴として、ツリーに火を灯した蝋燭を飾ることもあったようです。
プロテスタントを信仰する国々でもクリスマス・ツリーの伝統は広がりました。これは、マルティン・ルター自身の故事に関係します。クリスマス・ツリーにキャンドルを灯したのはルターその人だった、と広く信じられているからです。ある冬の夜、説教を考えながら家路についていたルターは、常緑樹の間で明るく輝いている星々に畏れにも似た感銘を受けました。その様子を家族に再現して見せるため、彼は広間に木を立て、その枝に針金を張ると、そこに星に見立てた沢山のキャンドルを灯しました。これが広く伝わり、ツリーにキャンドルを灯す習慣となったと言われています。
冬の寒い夜空にキャンドルや電飾の明かりがキラキラ輝いたり、かわいい飾りつけが風に揺れたりする風情は、心暖まるものですね。
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