クリスマスの礼拝にはろうそくが良く使われます。昔からヨーロッパでは冬には日照時間が極端に短いため、暖炉やろうそくの光は大変重宝され、人々の心の慰めとなっていました。冬至祭で「太陽の復活」を祝ってユールログ(大きな薪)を燃やした古代からの習慣とキリスト教の「世の光」という信仰とが相まって、クリスマスはその光が特に重要視されるようになったようです。 |
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蜜蝋はワックス(Wax,蝋、ラテン語ではCera)とも言われ、人類との係わりは非常に古く、紀元前4200年頃のエジプトの遺跡からミイラの保存に使用されていたのが発見されています。
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また、紀元前1000年代のエジプト王家の墓からワックスで封された瓶のなかに水が残っていたとの話もあります。ワックスの主用途であるキャンドル(Candle,蝋燭)の歴史もまた非常に古いもので、紀元前1300年代のツタンカーメン王の墓から4個の燭台が発見されています。
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紀元前3-4世紀の作とされる中央イタリアのゴリニ一世の墓の壁画には、現在のキャンドルと似た形をしたキャンドルが3本、鳥の嘴にさされた燭台が二基描かれています。中国でも紀元前3世紀末には、蜜蝋が貢ぎ物として使われたそうです。日本へは、6世紀頃仏教伝来と同時に伝わり、江戸時代後期までは贅沢品として主に特権階級の人たちが使用していたということです。 |
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蜜蝋(みつろう)は長いあいだ植物からできていると思われていました。実際に、ある植物の浸出液を蜜蜂が直接、収集していると考えられていたのです。
ようやく17世紀末ごろ、働き蜂の腹部関節間の蜜蝋の破片の存在がジョーン氏によって指摘されました。その約1世紀後、Duchet氏が初めて蜜蜂の蝋線に関する文献を発表します。
蜜蝋が蜜蜂の腹部関節内で作られているという実証はHuber氏の綿密な観察により、1800年代初期になりました。純正の蜜蝋(みつろう)からつくられたキャンドルは神聖な価値があるだけでなく、
特に環境にやさしいという利点もあるのです。ゆっくりと徐々に燃え、照明に使われる他の原料(パラフィン、ミネラルオイル=鉱物油)のように空気を汚すことがなく中毒もおこしません。
修道士たちは蜜蝋に嗅覚障害がないことを知っていて何世紀にもわたり自家製の蜜蝋キャンドルを使ってきました。
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キャンドルの用途は主に照明用、宗教用および装飾用の3つに分けられます。電気の普及により照明用に使われることは殆ど無くなりましたが、やはりキャンドルの燈は私たちに暖かさと安らぎを与えてくれます。 |