12月6日(金)




その子はあなたにとって喜びとなり、楽しみとなる。多くの人もその誕生を喜ぶ。
(ルカによる福音書 1章14節)




キリスト教ではキリストの誕生を待ち望むようにと、クリスマスの4週間前の日曜日から待降節(たいこうせつ)というものがあります。待降節にクリスマスを迎える準備をして、イエス・キリストの誕生を祝うのです。

  クリスマスの子供  
   

ゲルハルト・ラングの母親は、子どもの頃、彼がクリスマスまでその時期を待ち望むことができるように、彼に簡単なカレンダーを作りました。彼女は、甘いお菓子が好きな幼いゲルハルトが1日1個取って食べるように、日付を書いたボール紙の上に24個の甘いものを置きました。
ゲルハルト・ラングは成長すると、その頃を思い出して、最初のアドヴェントカレンダーを作りました。1908年のことです。1946年の終わりには、リチャード・セルマーが、ドイツで大量生産を始めます。そのアドヴェントカレンダーは戦争と共に海を渡り、米国で大人気を博しました。アイゼンハワー大統領やニクソン大統領も愛用し、多くの人々に広められました。
セルマーの最初のアドヴェントカレンダーは「小さな町」と呼ばれました。カレンダーには多くの建物が描かれた町があったからです。建物の窓やドアには日付が描かれており、これを1日毎に開けると、その中には子供たちの好きなお菓子や小さなおもちゃが入っていました。セルマーは、このような一般的なアドヴェントカレンダー以外にも、24の窓がついていて、それがランプの熱で回転する不思議なランプシェードカレンダーを生産しました。これらのカレンダーは今までどおり現在も、セルマー社から購入できるということです。

 
           

 
   1950年代の終わり頃には、チョコレートのカレンダーまで現われました。このカレンダーは瞬く間に全世界に広がりました。1954年には、ワシントンのホワイトハウスの風景を備えた「ホワイトハウス・カレンダー」が生産されました。
 今では何百ものいろいろな種類のカレンダーが生産されています。現在は、ボール紙上にクリスマスの絵が描かれ、24枚の小さな窓があるものが最もポピュラーになっています。キリストの生誕シーン、教会、ベツレヘム、おとぎの国、サンタクロースなど多くのテーマがあります。

 おもしろいものでは、サンタ・ストッキング・アドヴェントカレンダーがあります。クリスマスツリーに毎日1個づつ靴下や飾りをぶら下げるのです。まだ近世には磁気製で冷蔵庫などに貼り付けられるものも出回っています。また、建物ごとアドヴェントカレンダーにしてしまったという例もあります。あまりにも大きすぎるカレンダーですね。

アドベントカレンダー建物

 アドヴェントカレンダーを使いながら、クリスマスを待ち望み祝うことは、子どもと共にクリスマスの準備をする、理想的な方法ですね。アドヴェントカレンダーの伝統は、家族全員で心を一つにして団欒(だんらん)しながらクリスマスを迎えるという大切な意味を持っているのです。