第19日   

12月21日(木)

 

     
天使たちが離れて天に去ったとき、羊飼いたちは、「さあ、ベツレヘムへ行こう。主が知らせてくださったその出来事を見ようではないか」と話し合った。そして急いで行って、マリアとヨセフ、また飼い葉桶に寝かせてある乳飲み子を探し当てた。

(ルカによる福音書2章15節〜19節)



      

 

ある冬の寒い晩のことです。ベツレヘムに近い丘で、羊飼いたちがたき火を囲んで羊の番をしていました。羊たちは身を寄せ合ってぐっすり眠っていました。羊飼いたちはけものに大切な羊たちが襲われたりしないようにと、こうして野宿して羊たちを見守っているのです。

「こんなに星のきれいな夜は見たことがないなあ」
「むかしむかしの預言者たちの言い伝えを思い出すよ」
「なんだい、その言い伝えっていうのは?」
「神さまが、我々に救い主を送って下さるという話さ」
「救い主だって?」
「そうさ、わたしの父さんも、じいさんも、ひいじいさんも、ひいひいじいさんも・・・神さまがいつかその約束を守って、救い主を遣してくださると信じていたのさ」



その時、夜空が急に輝くように明るくなりました。星たちが明るく、一層明るくと羊飼いたちを照らしはじめたのです。
まぶしい光に照らされた羊飼いたちは怖れおののき、わなわなと震えておりました。すると光の中から神さまの御使いが現れ、話しかけてきたのです。
「こわがってはいけません。イスラエルの民の皆に喜びのお知らせを持ってきました。今日、ベツレヘムであなたがたのために救い主がお生まれになりました。この方こそ主メシアです。あなた方はこれから出かけて行って、そこで布にくるまれて飼葉おけに寝ている赤ちゃんを見つけることでしょう。それが、あなたがたのためのしるしです。」
するとたちまち空いっぱいに大勢の天使たちが加わって、美しい声で神さまを褒めたたえました。
「天には神さまの栄光があるように。
地の上には、神さまの御心に従う人たちに平和がありますように。」

 

 御使いたちは厳かに賛美をすると、天に帰って行きました。あたりにもとの静けさが戻ってくると、羊飼いたちはようやく目を覚ましたように我に返って話し合いました。
「おどろいたなあ、我々に主の使いが下りてきてくださるとは。」
「さあ、ベツレヘムへ行こう。主が知らせてくださったその出来事を見ようではないか。」
羊飼いたちは思い立つとすぐ、ベツレヘムへと足を速めました。
輝く星が先だって、彼らを導いてくれました。暫くすると、星が一つの家畜をしまう洞穴の上で止まりました。
 
「ここだ、ここだ!人がいる。」
「飼い葉おけの中に赤ちゃんが寝ているよ。」
「これはたしかに御使いのお告げのとおりではないか。」
「わたしたちが待っていた救い主に違いない。」
羊飼いたちは、ひざまづいて礼拝をしました。そして、マリアとヨセフに 野原で御使いのお告げを聞いたことを詳しく話しました。
「救い主をこの目で見られるとはなんと幸運なことだ、神さまに感謝します。」
「神さまは昔からの約束を叶えて下さった。なんとすばらしいことだろう。」
「さあ帰って、この良い知らせを皆に知らせようではないか。」
羊飼いたちは、神さまを賛美しながら帰って行きました。
 

  

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